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昨日小次郎が亡くなりました。

18歳でした。

昨日の夕方、母が「大変、コジが…」と言うので母の部屋に駆け付けたらそこには口を大きく開けて舌を出して苦しそうに呼吸しているコジの姿がありました。

鼻からは鼻水みたいなものがぽたっと落ちました。

以前熱中症で横になって口を開けて呼吸をしていた時はすぐネットで調べた対処法がうまくいったのでまずは検索。
暑いから熱中症ではなさそうなので「高齢猫 口を開けて呼吸」等と入力すると
『口を開けて呼吸をしていたら夜間でもすぐ病院へ!」
と書いてありました。

日曜日の診察時間はすでに終わっていましたが
「様子がおかしかったら休診日でも連絡してください。出なくても留守電に」
と以前から言ってくれている先生だったのですぐに母が電話したところやはり
「すぐに連れてきてください。応急処置しかできないかもしれないけど」
とのことでした。

2人ともあまり人前に出るような恰好ではなかったのですがそのまま慌てて玄関へ向かいました。

玄関まで行くと母が
「あれ?車の鍵が無い…」
と言い出しました。
運転の上手い母に任せがちなのですがゼーゼー変な呼吸をしながらキャリーバッグから出たり(呼吸が苦しそうなので蓋はせずにバスタオルをたくさん敷いた上に乗せました)落ち着きのないコジを抱えてパニック状態の母に運転を任せるよりはまだ私の方が…と思い私の車で母にはコジを抱えてもらい病院へ向かいました。

車の中では荒い息と時折カハッと言う何かを吐くような音が絶えず聞こえ臭いも乾いた口臭の嫌な感じのようなものがしてきてデロリとした粘土の高い涎のようなものが口の端から垂れていました。
運転が得意ではない私は40分以上かかる病院に無事に着くためにもなるべく冷静に、なるべく前を見て運転することを心掛けていたのですが途中バタバタと激しく暴れるのが横を見なくてもわかりました。
信号待ちで横を見ると母の腕には小さな傷がいくつもありました。
そして急に静かに…

嫌な予感しかしませんでした。
「息、してる?」
と恐る恐る聞いても
「わからない…少し動いた気がする」
と母は言いましたが目を閉じて尻尾がなぜかぼわっとした状態で静かにタオルの上で座り込んでしまっているコジが生きているようには私には思えませんでした。
不安が収まらないものの「死んでるんじゃない?」とは母に聞けず
「息が苦しいのかもしれないし仰向けに抱っこして見たらどう?」
と言うと仰向けてみた母が
「目は開いてる」
と言ったので母は起きてると言いたいつもりだったのかもしれませんが私には見てなくてもいよいよ駄目なんだと思いました。
だって仰向けにする前はぎゅっと目を閉じてたじゃない!と。

そこから病院までの道はさらに長く感じました。
まだ間に合うかもしれない。
という気持ちが少しと
間に合わなかったんだ、もう行っても無駄なんじゃないかという気持ちがたくさんと。

でも母には「死んでるか確かめよう」なんて言えませんでした。
毎日一緒に寝て一緒にご飯を食べてトイレに行くときもお散歩がてら抱っこしていくほどコジと常に一緒にいる母にはもう間に合わないと思ってるような空気が感じられなかったから…

病院へ着いて診察台にキャリーケースごとコジをすぐ乗せましたが先生が乗せるか乗せないかでちらりと見て
「もう亡くなってるね」
というようなことを言いました。

後ろから入った私は仰向けになったコジをそこで初めてみましたが誰から見てももう光のない丸い目がそこにはしっかり開かれていました。
よく見ると小さく出た下は荒い呼吸をしていた時の赤黒さはなく白っぽく小さな赤い点も見えました。
「本当にもう何をしても駄目なんですか?」
と母は信じられないことを言いました。
信じたくなかったんだろうなぁと思います。
それでも取り乱さずに落ち着いてそう精一杯聞いたのだと思うと私には何も言えませんでした。

診察料はとられずペット葬儀社のパンフレットを貰ってそのまま目だけ閉じて一緒に帰ってきました。

コジの涎や吐いたものを拭くためにとっさに持ってきたトイレットペーパーは母の涙と鼻水を拭く道具に変わっていました。

こうなるなんて思ってなかったですが今となると私が運転してきたのは不幸中の幸いでした。

でもあんなに苦しんで間に合わないくらいだったら連れて来なかったら良かったのかもしれません。
間に合ったかもしれないので「もしも」とかどっちが正解かなんてわからないけれど。

家に帰って母のベッドにタオルごといつも通り寝かせてまた開いてきた目を閉じ、舌をそっと閉まって体にもタオルをかけてあげました。

若い頃は4.2kgくらいあった体重は最近では2.6kgくらいになりこれといった大きな病気があるわけではないけど毛玉でも吐き戻しでもない嘔吐が増えていたコジは療法食を食べるようになっていました。

何日か前にトイレで大失敗して体がベタベタの状態でウロウロして部屋が大変なことになったと母がはなしていたと思えば当日の朝には
「抱きかかえたらポタポタッと出て来て…生暖かさが忘れられない」と言っていました。
亡くなる前日だか当日だかに初めて粗相をした猫の話を聞いたことがあった私はいよいよこの子は死期が近づいているのかもしれないと少し覚悟をしていましたが母はそうは思わず細く長くあと数年は一緒にいられると思っていたようです。

実際数日体調悪くなっては持ち直すを繰り返していたのでまた元気になるかもという思いは私にもありました。

療法食を食べるまでは大きな怪我や病気もなく病院へ行くのは毎年ワクチンを打ちにいくくらい、あとは肛門腺を絞ってもらったり歯石をとってもらったりくらい。
「心臓が弱ってるけど歳だからなぁ」
なんて言われていたのですが原因ははっきりとはわかりません。

葬儀社のパンフレットを貰いはしましたが私たち母娘はコジを庭に埋めることに帰りの車の中で決めました。

昨夜は母がコジの隣でいつも通りご飯を食べ、トイレに抱っこして一緒に行き、一緒に眠ったそうです。
私もここ数日そっと撫でるだけでもむせたりするコジをあまり触らないようにそっとしていたので昨日は何度も部屋に行ってコジを撫でました。

今日の午前中、悲しみを忘れるくらい汗だくで穴を掘りましたが土をかける時に汗を忘れるくらい今度は悲しくなりました。

18年、毎日可愛くいてくれてありがとう。
母と一緒にいてくれたありがとう。
ゆっくり眠ってね。
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